シリア情勢 8/30

– 著名な中東専門英記者ロバート・フィスク(Robert Fisk)は、政府軍による大量虐殺が起きたとされるダマスカス郊外のダラヤ地区に入り、同地区の市民にインタビューした。同記者は「政府軍はダラヤを強襲する前に、自由シリア軍との間で人質の交換交渉に当たったが失敗したため、政府軍は人質を救済するためにダラヤを襲撃した。また、政府軍がダラヤに入る際、道路上には多数の遺体があった。この遺体のほとんどが政府関係者(公務員)であり、自由シリア軍に殺害された人々である。」と伝えている。(インデペンデント紙) 

詳細:
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-inside-daraya–how-a-failed-prisoner-swap-turned-into-a-massacre-8084727.html

– シャーム自由人大隊という反政府武装勢力はシリア北部のタフタナーズ地区にあるタフタナーズ軍事空港を砲撃し、駐機中の政府軍用ヘリコプター数機を破壊した。これに対して政府軍は「テロリスト集団による軍事空港への大規模な攻撃を阻止し、テロリストを殺害した」と発表。(アルジャジーラ、Almayadeenなど)

– ダマスカスのハジャル・アスワド地区で政府軍と自由シリア軍の戦闘が勃発。政府軍はダマスカス郊外のジョーバルとザマルカとカブーンを強襲した。(Almayadeen、BBCなど)

– アサド大統領はAddouniaテレビのインタビューで、シリア情勢やトルコなどとの外交について話した。

シリア情勢 8/28-29

– 28日、ダマスカス郊外のジャラマーナ市で、27日に死亡した市民2人の葬儀参列を狙った自動車爆弾により27人死亡、40人以上負傷。(アルジャジーラ・Almayadeen・BBCなど)

– ダマスカス郊外のザマルカ県とカファル・バトナ県、アレッポの放送局周辺で政府軍と自由シリア軍が交戦。(アルジャジーラ・BBC)

– ムルシ・エジプト大統領は中国で胡国家主席とシリアについて協議し、「シリア内戦を終結させるべく、アサド大統領は退陣すべきだ」と発言。(アルジャジーラ・BBC)

– 21の野党や市民団体は「市民の平和を守り、団結と主権を維持する民主的な移行」を実現するために、ダマスカス市内で9月12日「国民議会」を開くと合意。(Almayadeen・BBC)

言論封殺

チュニジアといえば、「アラブの春」と呼ばれる民衆放棄の連鎖の起点となった政権転覆が起きた国であり、同時に、イスラム過激主義者が第一党になりながらも、世俗政党との連立の道を選び、穏健な変革の実験を主導している模範国である。

28日付のal-quds al-arabi 紙(ロンドン発行)は第一面で、そのチュニジアの政権党「ナハダ運動」がメディアを『浄化』すると表明したと伝えている。その目的は「メディアが反政府の演説台に変わってしまわないよう」にすることである、と。見出しには、「今後長期間、チュニジアの政権担当に自信」といった言葉も踊っている。

これは、ナハダ運動の幹部であるアブドサラム外相(ガンヌーシ指導者の義弟)の発言だ。チュニジアでは、テレビ・新聞が厳しく政府を追及する一方で、国営TVの局長・幹部が更迭されたり、イスラム過激主義を厳しく批判していた民間テレビ局の社長が逮捕されるなどの動きがあり、これら当局側の対応を正当化する目的で述べられたものであろう。背景に、言論界には旧ベンアリ政権の生き残りが棲息しており、自由な言論を許すと、革命体制が脅かされかねない、という危惧がイスラム主義者の間にはあるようだ。

しかし、言論の自由がない、と旧体制の独裁を批判して革命に加担し、政権に就くや、やっぱり言論封殺を正当化する、というのはいかがなものか。「やっぱり」というつぶやきが、世界各地で上がっているような気がする。イスラム過激主義が革命を乗っ取った悪しき例としてイランの神権政治があるが、中東におけるイスラム政権は、結局このモデルの道を歩むのではないか、やっぱりそうか、という訳である。

イスラム過激主義に大変同情的な同紙であるが、さすがにこの件については大いに危機感を持ったようだ。同日付の社説でこの問題を取り上げ「『浄化』という言葉だけは使って欲しくなかった。行き過ぎた言説は法律に基づいて対応すればいい」と批判している。

「トルコ型」を目指すチュニジア及びその他アラブのイスラム政権だが、その前途は極めて多難、と言う他はない。「誰がやっても結局は独裁」、というのは、悲しすぎる。(J)

花と銃  ~ ジャスミンの町ダマスカスの未来はどこに

花と銃

自由のない国に暮らしたい人はいないと思う。
私もシリアが民主主義の進んだ国になることを望んでいるが、独裁者に代わって、法律を遵守しない武装勢力が権力を握ると、もっと情勢は悪化すると思う。
この1年半の間にシリアに流入した武器はどうなるのか?武器保有者たちは現在の政権を倒したら、自発的にこの武器を新政府に渡すのだろうか?おそらく渡さないだろう。
例えば、レバノンの内戦が1990年代に終わり約20年が経過したが、多くの人たちはまだ武器を保有している。彼らは些細な問題あってもすぐに武器を取り出す。
ごく最近の話ならリビアがある。リビア革命が終わって1年間以上経過するが、政権を倒すために武器を持って立ち上がった人たちはこの武器をまだ保持し続けている。
シリアも同じことだ。シリア問題の結果はどう転ぼうが流入した武器は残されることになる。シリアだけではなく、中東全体で国の法律より宗教や部族の規律のほうがより強くなって来ている。普通の人たちでも武器を使って、自分たちの都合の良い「法律」を実現したいということになるだろう。

昔からダマスカスは「ジャスミンの町」と呼ばれていたが、これから「カラシニコフの町」と呼ばれることになるのだろう。なんともったいない…

シリア情勢 8/25-27

– シリア国内調整委員会によると、25日、シリア各地で138人が死亡。その内、市民124人、反政府武装勢力20人、政府軍39人(BBC・Almayadeen)。アルジャジーラによると、ダマスカス郊外ダーライヤで同日、政府軍により住民300人以上が殺害された。
※政府側は、ダーライヤで死亡した人たちはテロ部隊が殺害したと発表。(BBC・Almayadeenなど)

– シリア北部のアレッポ市内で、政府軍と自由シリア軍の間の戦闘が続いている。また、政府軍は市内のバーブルハディード地区に入り、自由シリア軍と激しい戦闘。(アルジャジーラ・BBCなど)

– シャラア・シリア副大統領が離反したという情報があったが、同氏はダマスカス市内でイラン代表団と会見を行っている(アルジャジーラ・Almayadeen・BBC・アルアラビア

– 「アンサール・ディマシュク」という武装勢力はダマスカス中心部のアッバスィーン広場を迫撃砲で砲撃し、市民2人が死亡、数人が負傷。(Almayadeen・シリア国営テレビ)

– ダマスカスのジョーバル地区で、政府軍用ヘリが狙撃され墜落した。(BBC・アルジャジーラなど)(27日)