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仏米露、シリア国民連合と交渉する政府高官のリストを作成中

12日、ファビウス仏外相は「仏・米・露は数週間前から、シリア国民連合と交渉可能なシリア政府高官のリストの作成に取り組んでいる」と明らかにした。

外相は「2年間続く紛争において均衡の実現につながる」として、改めてEUに反体制派への武器禁輸措置の解除を呼びかけた。

(アルジャジーラ)

第二次オバマ政権下の中東

小生のブログのタイトル「global middle east」は、「中東の動きは世界に影響を与え、世界の情勢は中東に影響を与える」という、いわば当たり前の原則をリマインドしている。当たり前ではあるけれども、絶海の孤島に住む日本人にとって忘れがちな基本を繰り返し想起してもらうのに都合がよいのでこう付けてある。

世界情勢とリンクしていない地域情勢などないのだが、中東はよりその度合いが強く、また直接現れる点で分かりやすい。1年ぐらい前から、イスラエルとイランの問題はどうなるか、アラブの春はどうなるかと聞かれる度に、「今年は選挙の年。選挙結果を皆が待っている。選挙までは動かない」と答えてきた。

その選挙(大統領選)が大方の予想通りに終わったその瞬間から、中東は大きく動き出した。イスラエルがガザ地区への攻撃を始めたのは、ネタニヤフ首相がオバマに祝意を述べてから24時間も経っていない8日のことだった。ブルドーザー等とともに侵入したイスラエル防衛軍兵士が銃を乱射してパレスチナの子ども1人を殺害している(アルジャジーラ報道)。

イスラエルにとってもっともうれしい路線である「武装抵抗」を「飯のタネ」にしている愚かな指導部(ハマス)は、相手の意図を知りながらも「思う壷」に落ちることしかできない。その日から対決をエスカレートさせることしかできず、軍事的最高幹部とされる「カッサーム部隊」のジャアバリ副司令官をピンポイント爆殺されるに至って、虎の子のイラン製高性能中距離弾「ファジュル5」をテルアビブめがけて撃ち込んでしまった。これで、ネタニヤフはクネセット(国会)選挙での大優位と、イランの神権政治への更なる国際的締め付け確保という二鳥を落とした。アラブ諸国や世界中の「市民団体」が如何に「イスラエルの自衛権」の欺瞞を憤慨したところで、これに理解を示してイスラエルのガザ侵攻を支持するという欧米の立場は保障されたのである。

一体、どうやってそんな飛び道具を密輸したというのか!!パレスチナ(ハマス)側の「武力抵抗には正当性がある」という「大義」の訴えは百も承知だが、大義で飯を食っているのは自分たち一部だけであり、民は飢えながら殺されている。この矛盾に答えを出すことができるのは、パレスチナ人自身をおいて他にない。(蛇足を言えば、ハマスはイランとアサド政権を頼っていたが、今般、アサドに徹底的に嫌われてダマスカスを追放された。)

ファジュル5がガザ地区に搬入されるためには、シナイ半島からの密輸以外に方法がないが、イランはいったんスーダンに輸出、そこからシナイ半島の武装勢力経由密輸されるルートがあるのではないかという情報がある。いずれにしても、イスラエルの情報網はこのミサイルの存在をかなり前から掴んでいて、それを使わせる機会を狙っていたと思われる。

オバマ政権のこれからの4年間は、極東にも、また中東にも、静かに危機のタネを貯めていく4年間となる。熱い戦争に関与するのではなく、熱い戦争の危機を煽る人と、それをなだめる人が芝居を演じる間に、着実に武器販売と軍備関連の売上を伸ばしていかなくてはならないからだ。それが欧米、露、中というグローバル・プレーヤーの全ての利益に一致している。属国日本も実はそうである。もちろん、熱い戦争が絶対に起きないという保障はないが、起きても拡大する状況にはないと言っていい。

地域のメジャーなプレイヤーの利益にもそれは一致している。この点についての説明は別の機会に譲るが、いずれにしても、これからの数年間、シリアの人々の苦難は続く。それはガザ地区もイラクもレバノンも然りである。抗しがたい新たな「冷戦構造」が中東を支配している。(敬称略)(J)

イスラム過激主義に対するフランスの答え

職業柄、中東からの絶え間ないニュースの中に身を置いているが、28日、「これは?」と注目した2つのニュースがあった。ひとつは、「仏内相、モスク落成式でイスラミストは追放すると宣言」というものであり、もうひとつは「預言者侮辱の映画製作者逮捕」のニュースであった。

1.「ヴァル内相、大モスク落成式で過激なイスラム主義者は追放すると演説」

ストラスブールにフランス最大のモスクが竣工した。27日、その落成式があり来賓のヴァル内相が歯に衣着せぬ演説をしたのだ。こういう発言をできる政治家が日本にいるだろうか。報道から、重要部分を2箇所だけ抜き取る。

「イスラムはフランスに居場所を有する。フランスのイスラムは、フランスの一部であるからだ。」

「憎しみ合うことを扇動する者、蒙昧主義の徒、原理主義者、我々の価値観と制度を破壊する者、女性の権利を否定する者、そういう人々の居場所はフランスにはない。我が国にいながら、法律を破り、社会の根源に敵対する者たちが国内に留まる必要はない。イスラム教徒であると主張しつつ公共の秩序に重大な脅威を与え、国の法律と価値を尊重しない者共は容赦なく追放する。」

モスクの落成という祝典に臨んで、いくら「過激派は…」と断ってもイスラム教徒は追放するぞという強い言葉を堂々と発することができるというのはどういうことか?それも、平時ではない。預言者ムハンマドを侮辱した米映画問題で世界中のイスラム教徒の感情に火がついているタイミングであり、その上に仏風刺漫画誌の掲載した預言者風刺画の問題が追い討ちをかけていた。

その秘密、というよりきちんとした理由はフランスの世俗主義にある。日本のような消極的政教分離主義では、モスクに内相が招かれる、ということ自体が禁止され得ることであるが、フランスやトルコのような積極的政教分離(≦世俗主義)においては、世俗的価値を優先させ、日常生活における「宗教的行動」をしっかりと禁止することができるのである。

仏週刊誌の問題では、在外公館に最大の警備警戒措置を尽くしても、表現の自由擁護の立場を貫いた。イスラム諸国では一部騒ぎとなったが、フランス国内では目立った抗議行動は起きなかった。その自信が内相の言葉の奥に込められていたに違いない。
Vive la France!

2.「預言者侮辱の映画製作者逮捕」

近年稀にみる「傑作」をYouTubeに流し、世界を大混乱に陥れた男が逮捕された。しかし、それは映画出演者を騙し、稚拙な方法で吹き替えをして醜悪なイスラム冒涜映像を作った罪ではなかった。元来、人を騙して財産を奪う詐欺罪で刑を受けている人物だったから、保護観察違反で再収監されたのである。

男は逮捕されたが、この男の作った作品は今もYoutube上にある。先ほど覗いてみたら480万view以上を記録していた。

ほとんど精神異常に近い、ふざけた犯罪であった。しかし、それがもたらした重大な結果に責任を有するのは誰か?「アメリカが悪い」、「イスラエルが悪い」というイスラム過激主義政権の主張は、われわれ異教徒だけでなく、真のイスラム教徒も受け入れることはできないだろう。(J)